火災保険の純保険料率で参考にされる参考純率が損害保険料率算出機構によって2018年6月15日に、平均5.5%値上げすることが決定されました。
「参考純率」は、火災保険会社が火災保険料の設定をする際に基準とする料率のことです。

なんで火災保険料を値上げするの?

火災保険料の値上げには自然災害の増加が関係している!
2013年度の大規模な雪災、2015年度の台風15号などにより保険金の支払いが増加し、冬期の凍結や老朽化などで水道管等に生じた事故による水濡れ損害の保険金の支払いも増加しています。

最近も大雨などの自然災害が発生しています。
火災保険は自然災害などの損害に備えることができますが、自然災害が多く発生すると保険料が値上がりするという関係性があります。
火災保険の保険料率の改定によってどのくらい値上がりする?
損害保険料率算出機構では、改定する参考純率による改定率の例(保険金額 建物:2,000万円、家財:1,000万円の場合)が建物構造別に示されています。
木造戸建等の改定率(H構造)
都道府県 | 改定率 |
東京都 | +6.2% |
大阪府 | -2.6% |
愛知県 | -9.8% |
熊本県 | +25.9% |
三重県 | -17.3% |
鉄骨造戸建等の改定率(T構造)
都道府県 | 改定率 |
東京都 | +6.3% |
大阪府 | +1.8% |
愛知県 | -1.5% |
熊本県 | +24.4% |
三重県 | -8.7% |
マンション等の改定率(M構造)
都道府県 | 改定率 |
東京都 | +20.4% |
大阪府 | +12.0% |
愛知県 | +7.2% |
鹿児島県 | +40.1% |
愛媛県 | +4.1% |
太赤:47都道府県の中で最大改定率 太青:47都道府県の中で最小改定率
参考純率の改定率は、都道府県や建物の構造によって異なります。
一部値下げとなる地域もありますが、値上げされる地域が多いです。
火災保険料の値上げを発表しているのはこの4社!
損害保険料率算出機構が決定した参考純率によって、2019年10月から火災保険料を値上げすると発表しているのは・・・
- 三井住友海上
- あいおいニッセイ同和損保
- 損保ジャパン
- 東京海上日動
の4社です。
この他の火災保険会社でも参考純率の値上げに合わせて、火災保険料を値上げすることも考えられます。
保険料の値上げだけじゃない!築浅割引の割引率の拡大も発表!

東京海上日動「トータルアシスト住まいの保険」
東京海上日動「トータルアシスト住まいの保険」では、築浅割引の割引率を拡大することが発表されています。
- 保険料改定前・・・築年数と保険期間のみに応じて割引率を適用
- 保険料改定後・・・築年数・保険期間・建物の所在地・構造級別・補償タイプに応じて割引率を適用
火災保険始期日時点で築年数が10年未満であることが条件となります。
損保ジャパン「THE すまいの保険」
損保ジャパン「THE すまいの保険」では、築年数別割引の対象範囲を拡大することが発表されています。
- 保険料改定前・・・築年数別割引の対象が築11年未満
- 保険料改定後・・・築年数別割引の対象が築15年未満
火災保険は値上がり前に見直して!



火災保険料が値上がりする前に、契約した内容については10月以降も同じ補償内容で火災保険料も変わりません。
長期契約をすれば、値上がりする前の契約をその分続けることができるのでお得になります。

では、火災保険を見直すポイントを紹介しておきます。

値上がり前に火災保険を見直すポイント!
ハザードマップで地震・水害リスクをチェック!
火災保険料を安くするために、必要な補償を外してしまっては火災保険の意味がありません。
まずはハザードマップを確認し、地震や水害リスクがあるかどうかをチェックしましょう。
特に、火災保険加入者が入っていてよかったと思う補償が【地震保険】と【水災補償】です。
安易に補償を外すのは、万が一に備えられないのでやめましょう。
臨時費用保険金の設定は最低限必要な額で良い!
臨時費用保険金は、損害保険金にプラスして支払われる保険金のことですが、意外と修理金額以上に支払われるケースが多いんです。
保険金が多くもらえてラッキーと思うかもしれませんが、その分の保険料を支払っています。
損害保険金にプラスして支払われるので、損害保険金の設定さえ十分にしていれば臨時費用保険金はそんなに高額に設定する必要はありません。
臨時費用保険金の支払割合を設定できる火災保険の場合は、最低限必要な割合で設定することで保険料を安く抑えることができます。
自己負担額を設定して保険料を安く!
自己負担額(火災保険会社によっては免責金額)は、損害を被った場合に、損害額のうち自己負担する額のことです。
自己負担額を設定している場合、損害額から設定した自己負担額を引いた金額が保険金として支払われます。

損害時には、支払われる保険金が設定している自己負担額に応じて減額されますが、支払う保険料は安くなるのでぜひ検討してみてください。
